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岩美町

【福原公一郎さん】世界をよくする活動家

世界をよくする活動家 福原公一郎(ふくはら こういちろう)さん

新温泉町を拠点に、山陰ジオパークで自然体験活動の企画やガイドをする「ジオ(sen.s)センテンス但馬因幡探求クラブ」代表の福原公一郎さん。笑顔がとても素敵である。

福原さんは、「世界をよくする活動家」を看板にかかげて、ジオセンテンスの活動のほか、新温泉町露店キッチンカー協会の会長や新温泉町コミニティスクール統括コーディネーターをするなど幅広く活躍されている。さまざまなことをしているが、目的は「世界をよくする」ことだ。

今回は、山陰ジオパークで活動をはじめるにいたったエピソードから現在の活動までの物語をお楽しみください。

きっかけは鳥取の海

兵庫県新温泉町に育った福原さん。

新温泉町は、温泉あり、海あり、山ありの豊かな土地だ。ネイチャーガイドをしている福原さんの父親は、自然が大好きで、幼い福原さんを海に山にとあちこち連れて行ってくれた。その一方で、福原さん自身は自然に興味を持てずにいた。

高校を卒業すると、関東の大学へ出て就職をした。

地元に戻ってきたあるとき、鳥取の岩美の海へ出かけた。40歳のころである。

岩美の海で初めて、サップ(SUP)を体験した。サップとは、ボードの上に立ち、バドルを漕いで水面を進むアクティビティで、近年は人気のビーチスポーツになっている。

「初めてサップに乗って海から景色を見たらすごかったんです。海が綺麗すぎて」と福原さん。

この体験をきっかけに、福原さんは自然に興味がわき、もともと父親がやっていたネイチャーガイドを志すことになった。時を経てやっと気づけることがある。

サップをする福原さん
親子でネイチャーガイド

活動のスタートは、ビーチクリーン

2017年8月から、福原さんは新温泉町が主催するジオパークガイドの養成講座を受講。

受講後、たまたま、同じ講座に参加していた知り合いたちと立ち上げたのが、「ジオ(sen.s)センテンス但馬因幡探求クラブ」だ。名前にある、センテンス(sen.s)には、点と点をつなげて線にしていきたい、地域と地域、人と人をつなげていきたいという思いが込められている。

最初の活動は、新温泉町の港町諸寄のビーチクリーン。サップの魅力に取りつかれていたという福原さんは、とにかく、海と関わりたいという思いが強かったという。

ジオセンテンスを立ち上げる前年は、地元小学校のPTA会長をしていた。そのときの役員たちに声をかけて、子どもたちも合わせて10数名でビーチクリーンをしたという。まずは海をきれいにしようという思いで活動がスタートした。

鳥取砂丘を歩く

もっと面白くなるようにエンターテイメント感を出したい

活動場所は海だけに限らず、公園やジオパークのトレイスコースと幅広い。

福原さんはジオパークガイドだけではなく、地区と地区をつなぐジオパークコーディネーターにもなっている。学校からの依頼でネイチャーガイドをすることもある。

知識はあっても自然の体験が少ないという今の子供たちに、何をどう伝えられるか。

「素材そのままを見せるのではなく、面白くなるように見せ方を工夫してエンターテインメント感を出したい」と福原さん。これまでの教育色が強いものから、もっと魅力が感じられるガイドを目指すその志は熱い。

人気がある鳥取のジオパークコースは、網代からスタートして城原海岸を抜けて、浦富にいたるトレイル。

「アップダウンがあって、景観がすごい」

まさに、独特の地形の成り立ちを感じさせてくれるようなジオパークの醍醐味を味わえるコースだ。

「修学旅行で来てもらえたら嬉しいんですけどね」と福原さん。山陰ジオパークの魅力をもっと県外へ伝えていきたいと意気込む。

浦富のトレイルコース

心を整えたら景色ももっと綺麗に見える

最近は、歩き瞑想に興味があるという。

ただ自然を楽しむだけではなく、自分と向き合う時間も作りたい。そう思うようになったきっかけは、お客さんにサップ体験をしてもらっている時だった。

サップを教える福原さん

サップを初めてするお客さんがほとんどのなか、大抵は自信がないのでびくびくしながらボートに乗る。そうすると、なかなか上手くできない。

はじめから上手くやらないといけないという気持ちの反動もある。少しずつできるようになってますよと声をかけながら、その人の心を解きほぐしていくことで自信がついて、上手にできるようになる。そんなお客さんの姿を見ていて、心が整ったら景色も綺麗に見えるようになるし、上達もすると福原さんは気づいた。

その人の意識を変えるだけで格段にうまくなるんですよ

「トレイルについても、内面が変われば、長い距離も歩くことができて、達成感もあるし、景色も違ってみえると思うんですよね」

今後は、歩き瞑想を取り入れてのトレイルコースを楽しめそうだ。

興味のなかった自然を好きにさせてくれた海。海を通して得た気づきから、また新たな挑戦が続く。福原さんにガイドをお願いしたい方は、ジオsen.s(センテンス)但馬因幡探求クラブのホームページからお申し込みください。

ジオsen.s但馬因幡探求クラブ

インタビューを終えて

とにかく笑顔が素晴らしい。

さすが「世界をよくする活動家」と名乗るだけの心持ちの良さ。

そして、海が大好き!自然が好き!という純粋さをそのまま仕事に活かしている。

自然や海が好きではないという人でも、福原さんのガイドや指導を受けたらきっと好きになってしまうのではないか。

そんな魅力を持った人だ。

新しい取り組みにも注目したい。

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