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鹿野町

【北村 瞳さん】美容師を通して女性の笑顔を作りたい!

美容師兼恋愛カウンセラー 北村 瞳(きたむら ひとみ)さん

鳥取県の東部、鳥取市の西側に位置する鹿野町(しかのちょう)。

中世は、因幡地方の軍事・交通上の重要拠点として栄えた。

春にはお堀沿いに見事な桜が咲く鹿野城跡と城下町の風情が残る趣のある町だ。

この町のはずれののどかな田園地帯に、2023年で営業をはじめて38年になる美容室「パーマハウスきたむら」がある。

2023年2月に改装をし、モダンに生まれ変わった美容室で美容師をしている北村さんにお話を伺った。

北村さんは、美容と恋愛カウンセリングを合わせた独自のメニューも提供している。

現在に至るまでとこれからについての物語をお楽しみください。

美容の専門学校で自分のスタイル作りに目覚める

母親が美容室を運営していたこともあり、北村さんにとって美容師の現場は子供の頃から身近だった。

早くから美容に興味を持ち、自然と将来は美容師になることを頭に思い描いていた。

高校を卒業後、北村さんは大阪の美容の専門学校へ進学し、ヘアメイクを学んだ。

ここでとても刺激的な経験をする。

「鳥取から出てきて、私は他の子たちと比べて自分がないと感じたんです」

他県から来ていた子たちが、自己主張がしっかりしていることにカルチャーショックを受けた。

服装や髪型も個性的なクラスメートに刺激を受け、もともと負けず嫌いで人より目立ちたいという気持ちを持っていた北村さんは、今ままでに感じたことがない感情を感じた。

それまでは、言われたことをしたり、何かしたいと思ってもまずは親に相談して決めるというスタンスが当たり前だったが、全部自分で決めていいという自由を感じたのだ。

こうして、北村さんは自分のスタイルを作っていくことに目覚めた。

これは北村さんにとって大きな意識の変化だった。

学校を卒業後は、憧れがあった東京で美容師として就職する。

美容師として仕事がスタート

学生時代に個性を強調したスタイル作りに目覚めた北村さんだったが、東京で勤めた美容室では真逆の方針に戸惑った。

そこでは制服も決まっており、関西弁も禁止。お店のスタイルに合わせなくてはいけなかった。

勤めてから毎日、レッスンのみが続いた。

シャンプーレッスンを中心に、言葉遣いなどの訓練を美容室の別棟で受ける。

朝早くから美容室に出て、帰りは終電に乗る日々だ。

半年間、与えられたことこなしていくことに必死で何かを考える余裕はなかった。

そのさなか、実家の事情で北村さんは鳥取へ帰ることになった。

実家が落ち着いた後、北村さんは専門学校時代の友人たちが働いている京都へ出る。

鳥取ではアパレルのアルバイトをしていたが、京都で活躍する同級生たちを見て悔しさを感じての行動だった。

募集はしていなかったが、北村さんは雑誌を見て魅力を感じた美容室に飛び込み、美容師として働くこととなった。

現在の北村さんの土台を作ってくれたのは、この美容室だった。

技術もしっかり身につけることができ、いい経験が出来た。

美容室の仲間とのひととき

オーナーにもよくしてもらい、アットホームな雰囲気のなかメンバーとも仲良く働けた。

7年ほど勤め、そのうち1年はスタイリストとして活躍。

仕事にとくに不満はなかったが、このまま美容師でいいのか、この道しか知らなくていいのかという疑問が湧いてきた北村さんは悩んだ末、思い切って美容室を辞めた。

辞めた当初は海外へ行くことを考えていたが、ふと、大阪でフリーランスの美容師をしてみたくなり、北村さんは大阪へ出た。

フリーランス美容師になるも、厳しい生活

フリーランスの美容師時代

大阪でフリーランスの美容師として仕事をはじめた北村さん。

フリーランスといっても、お客さんを持たないと仕事は成り立たない。

京都から出てきたばかりの北村さんには、苦しい状況が続いた。

美容師だけでは生活が厳しかったため、夜は飲食店で働いた。

そこで出会ったお客さんがたまたま企業の社長で、結婚相談所を立ち上げるという。

そこのスタッフにならないかと北村さんに声をかけてくれたのだ。

生活に困っていたこともあり、北村さんは美容師を辞めて、結婚相談所の契約社員として働くことにした。

結婚相談所で恋愛カウンセラーに

ヘアメイクをする北村さん

結婚相談所では、お客さんのお見合い用の写真を撮るときのヘアメイクを担当した。

あるとき、恋愛カウンセラーが人不足になり、北村さんは恋愛カウンセラーもすることになった。

カウンセラーになるために、会社独自の教育プログラムを学んだ。

心理学、脳科学といった、これまで知らなかった学問を学べた。

「人の本質的なところに気づかせてもらいました」

他人軸ではなく、自分を大切にするとうまくいく、自分と向き合うのが一番うまくいくといったことなど大事なことを学べたという。

この経験は北村さんにとって、本来の自分自身に戻るきっかけにもなった。

結婚相談所時代

体調不良をきっかけに鳥取へ戻る

結婚相談所で1年間働いた後、やはり美容師がしたいと北村さんは、フリーランスの美容師に戻った。

恋愛カウンセラーの経験もいかすため、美容師だけでなく、恋愛カウンセラーもやっていきたいという気持ちもあった。

使っていた美容室のオーナーの心遣いで、お店にも美容師として入らせてもらうなかで、お客さんから直接メッセージをもらって恋愛相談をすることもあった。

アドバイスをしたあとで、良い結果が出たという報告をもらい、手応えも感じることができた。

このとき、北村さんは月に12日の休日をとるスタイルで働いていた。

オーナーからはもっと出るようにという勧めがあったが、このスタイルを崩したくはなかった。

ずっとここにいるべきではないかもしれないと思い始めていた矢先、北村さんはコロナにかかり、2週間の休みを余儀なくされた。

幸い軽症だったため、このときは休みを利用して貯金をはたいて恋愛講座を受講した。

恋愛カウンセラーとしての深みを身に着けたかった。

ところが、このあと少ししして北村さんは再びコロナにかかったのだ。

このときはさすがに金銭的にも厳しくなり、環境にも疑問を感じ始めていたため、鳥取へ帰ることに決めた。

女性の笑顔を作りたい!

実家の美容室で働く北村さん

このとき、やりたいことは明確になっていた。

「美容師を通して、”生きる”ということ、”自分に戻る”ということがどういうことかをお客様に伝えたかったんです」

美容師の仕事をするだけではなく、”生き方”を伝えていきたいという思いを持って、北村さんは鳥取に戻って来た。

恋愛カウンセラーとして学びを経て、”女性の笑顔を作りたい”という気持ちも強かった。

女性が笑顔になると男性も元気になる。

これは地域活性にもつながり、日本全体も良くなるし世界も良くなる。

「人生でやっていきたいことは、世界を良くすることです」

北村さんは目を輝かせながら語ってくれた。

鳥取へ帰り、実家の美容室が古かったためまずは改装から始めた。

半年かけて店づくりに取り組んだ。

その間、現在も月1回、お世話になった大阪の美容室へヘアカットに出かけている。

2023年2月にお店がリニューアル。

新しくなった美容室

北村さんは新しくなった美容室で美容師をしながら、女性のための講座づくりを始めた。

鳥取で新たな気持ちで仕事をスタートして北村さんのもとには、自分と向き合いたい女性が来てくれるという。

少しずつ流れが出来てきている。

講座のタイトルは、”女神セッション”だ。

「皆さんが自分と向き合うことでパートナーとうまくいくとか、それによって世界にどんな影響があるのかをわかりやすく伝えるにはどうしたらいいかを考えて作りました」

女神セッションは、インタビューをさせていただいた10月から具体的なメニューになっている。

3つのコースがあり、自分の中の”女神”に触れて育てるコース、パートナーシップをうまくするためのコース、女神としてあるがままに生きていくためのコースがある。

メイクで潜在意識の掘り起こしもできるという。

これから

実家の美容室 パーマハウス「きたむら」のメンバー

今後、北村さんは出来立てほやほやの”女神セッション”の講座を広めていくとともに、美容室を楽しく盛り上げていきたいと意気込んでいる。

「まずは自分が笑顔で生きていきたいですね!」

今パートナーシップに悩んでいる方や、自分に自信が持てない方など気軽に相談に来てほしいと語ってくれた。

Instagram

インタビューを終えて

凛としてハキハキ明るい印象の北村さん。

お話を聞いて、美容についての熱い思いだけではなく、世界を良くしていきたいという考えがあったことに驚いた。

北村さんの生きてきた経験がそこに彼女を導いてくれた。

今、キラキラと笑顔の彼女に会って元気をもらえる女性は少なくないだろう。

ぜひ、気軽に美容室を訪れてみてほしい。

あらたな自分の発見があるかもしれない。

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